So-net無料ブログ作成

パワハラにカスハラ? [日本考]

29日の日経新聞のネット記事によると

【 パワハラ防止法が成立 企業に防止義務

職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止を義務付ける関連法が29日午前の参院本会議で可決、成立した。これまで明確な定義がなかったパワハラを「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動」などと明記。企業に相談窓口の設置など新たに防止措置を義務付ける。

2020年春にも施行される見込みだ。セクシュアルハラスメント(セクハラ)や妊娠・出産した女性へのマタニティーハラスメント(マタハラ)はすでに企業に防止措置を講じる義務があるが、パワハラは明確な定義がなく対策は企業の自主努力に委ねられていた。

改正したのは、労働施策総合推進法や女性活躍推進法など5本の法律。改正女性活躍推進法は、女性登用の数値目標を策定する対象企業についてこれまでの従業員301人以上から101人以上に広げる。 】


罰則を伴う禁止規定がないので、実効性は疑問視されています。

ところで、最近は顧客によるハラスメントもよく話題に上ります。カスタマーハラスメントでカスハラと呼ばれているようです。

客が店の品物や店員の対応の悪さにクレームをつけ、執拗に抗議をし、大声でなじる、胸ぐらを掴む、土下座をさせるなど、対応者に肉体的・精神的な苦痛を与える行為がしばしば起きているとのこと。

タクシーやバスの運転手にも被害が及び、ネットに投稿されるなどして、職を失うような事態になることも報告されています。困った社会現象です。

金を出す方が優位な立場にあるという認識から、不満があると「なにごとだ、怪しからん」と腹を立て、その優位さを最大限利用して、腹の虫が収まるまで、謝罪と埋め合わせを強要するようです。

パワハラは組織上の地位を背景に、カスハラは客と営業する者の立場の違いを背景に、ハラスメントに至ります。どちらも、人の尊厳を傷つけている点に問題があります。どんな理由があるにせよ、人の尊厳を傷つけるような行為は慎まなければなりません。

ところで、そもそも、客と営業する者の間には上下関係があるものでしょうか?どうも、この辺りから既に勘違いが始まっているように思います。

両者の関係は財貨・サービスの売り買い、つまり、経済活動で発生します。
経済活動は、等価交換が原則です。しかじかの財貨・サービスの価値を認め、その対価を支払ってそれを購入するのです。両者の関係はまったく対等なのです。そもそも上下関係などないのです。

同じような財貨サービスを提供する営業者が多ければ買い手市場となりますが、少なければ売り手市場となります。買い手市場の時は、営業者は、値段を下げたりサービスをよくしたり、既にそれなりの努力をしているのです。それにつけ込んで、買い手が権勢をふるおうというのは、勘違いに他なりません。

物を買ってやっているつもりかも知れませんが、売っていただいているのです。タクシーを利用してやるつもりかも知れませんが、停まってもらって、目的地まで乗せていってもらうのです。

財貨サービスの提供者と利用者の間に上下関係はないのです。

随分と当たり前のことを書いてきましたが、日本人は、人と人との関係を、どうも上下で捉えがちです。中根千枝氏が『タテ社会の人間関係』を刊行したのが1967年、それから五十余年が経ちましたが、この傾向は未だに何も変わっていないようです。

人と人との関係は、福沢諭吉が『学問のすすめ』の冒頭に「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず(と言えり)」と記したとおり、平等が基本です。つまり横並びで対等なのが当たり前なのです。

人を上下に並べて、その然るべき位置に自分を収めて、上にはへつらい、下には横柄な振る舞いをすることは、いい加減で改めなければいけません。そういう課題を日本人は持っているのです。

お偉いさんがいくら間違った答弁をしても、部下の役人が忖度して口裏を合わせている光景をよく目にしますが、国内の政治だけでなく、国際関係も、日本は上下のランキングで捉えています。

アメリカさんが一番偉いのです。次は欧州の国々。アジア、アフリカの国々はそれより劣ると見ています。で、日本はどの位置かというと、欧州の国々と肩を並べている存在と思い込んでいます。

そして、アメリカさんの言うことには何一つ逆らわず、住民の意思も、国の憲法も、国の財政も顧みず、平気で従っています。偉いものには従うのが日本人の当たり前かも知れませんが、世界の常識はそうではありませんから、この光景は異様に映っているはずです。

下は中学生の部活から、上は国の外交まで縦思考をやっています。パワハラもカスハラも、その間の現象です。

威張るかへつらうかではなく、自他の尊厳を認め、横の関係で思うことを伝え合い、お互いが納得する行動を取り決めて歩んで参りたいものです。

もたもた長くなってしまいました。お許しあれ m(_ _)m

おまけの写真を追加します。

いつの間にかあじさいの季節に!
DSC00169.jpg


DSC00175.jpg


DSC00176.jpg


DSC00177.jpg


ではまた (^_-)-☆


nice!(17)  コメント(10)