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『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』を読んで その25 [『日本はなぜ、「基地」と「原発」を・・・』]

   《 PART5 最後の謎-自発的隷従とその歴史的起源》(1)

 その24から半年ほどたってしまいました。実は一気に臨むつもりだったのですが、最初の部分で躓いて、取り組みあぐねているうちに、夏の選挙に向けての行動のほうが緊急と考え、例の音楽祭を優先することにしたのでした。
 なぜ躓いたかというと、書かれていることは真にもっともなのですが、現実との隔たりが多く、著者と同じ気分になれないのです。人に語りかけ、知識を広めようとする者は、その結果に責任を感じるものです。真実を知って、より明るく正しく、より強くなってほしいものです。そういう願いを込めて、著者は、この最後のパートの最初の部分を書いたのでしょう。

 さて、その書き出し部分ですが、そのまま引用することにします。一部用字が異なりますが、ご容赦くださいますよう。

《 前章の、特に「敵国条項」のくだりを読んで、すっかり暗い気持ちになった方もいらっしゃるかもしれません。私も最初、史実を知ったときは、かなりのショックを受けました。けれどもさらに歴史を調べてみると、そうして落ち込む必要など、まったくないことがすぐにわかったのです。なぜなら現在の日本が直面する苦境とは、実は日本人自らが生み出した認知上の歪み(一言で言えば「自発的隷従状態」)に主な原因があり、問題を整理して再出発することができれば、まだまだ日本の未来には無限の可能性があるからです。
 特に若い読者の方に聞いていただきたいのですが、70年続いた「戦後日本」という国家は、遠からず終焉を迎えます。考えてみてください。首相になった人間が必ず公約と正反対のことをする。すべて社会保障にあてますと約束して増税し、大企業減税を行う。お金がもったいないから、子供の被曝に見て見ぬふりをする。人類史上最悪の原発事故の責任をだれもとらず、何の反省もせずに再稼働しようとする。首相の独断で勝手に憲法の解釈を変える。そんな国が、これ以上続いていくはずがありません。
 前ページの写真がその象徴です。日本政府はいま、世界でも有数と言われる自国の美しい海岸に、自分たちの税金で巨大な外国軍基地を建設しようとしているのです。日本人が少し立ち止まって、そのおかしさに気づきさえすれば、状況は必ず大きく変化するはずです。
「戦後日本」が今後、終焉へと向かう中で、「与えられた民主主義」ではなく(結局そんなものはどこにも存在しませんでした)、本当の民主主義を自分たちの手で勝ち取っていくプロセスが、必ずどこかで始まります。具体的には、新しい憲法を制定して、市民の人権が守られるようなまともな法治国家をいちから作っていくというプロセスです。そう考えると、とてもやりがいのある時代に生まれたと言えるのではないでしょうか。
「敵国条項」の実質的な日本への適用にしても、国際法の中で正統性を持つものではありません。あくまで「沖縄及び日本全土の潜在的基地化」という米軍の方針が裏側で決まった後、条文上のトリックにトリックを重ね、世界中の人の眼から隠蔽されたまま、不正な現状を正当化する「口実」として用いられてきたに過ぎないのです。新しい「国のかたち」を作って、表側で堂々と議論すれば、21世紀のいま、だれが日本人に対して、「お前たちは敵国の人間だから、人権はない」
「沖縄の軍事占領も、首都圏上空の米軍管理区域も、ずっとそのままだ」
などと言うことができるでしょうか。
 そもそも107条を含む国連憲章第17章には「安全保障の過渡的規定」というタイトルがついています。この憲章が調印された1945年6月26日、日本と連合国の戦いはまだ続いていました。戦争が終わり、その処理が終わって、国連が構想どおりに機能するまでの間という前提で書かれた条文なのです。沖縄の軍事基地化と同じく、そうした過渡的な場合に限って適用されるはずだった取り決めを、戦後70年経ったいまでも、ずるずると不法に引き延ばし続けているだけなのです。
 一体どうして、そんなことになってしまったのか。
 この問題が、本書が扱う最後の謎となります。そして結論から言えば、その答えは、
「歴史的経緯の中で、日本人自身が米軍の駐留を希望したから」
「そこには昭和天皇の意向が大きく影響していたから」ということになります。 》

 誤植があったらご免なさい。以上がパート5の書き出し部分です。
 実にまっとうなことが書かれているでしょう?
 それならなんでここで躓いてしまうのか?それは、まっとうでないことが70年以上も続いてきたという現実の重みです。「こんな変なことが長く続くはずがない」と本当に思えるのですが、しかし、長く続かせる勢力があって、それを受け入れてしまう体質も、かなりの割合の国民にあるのです。そういう暗い現実が眼の前にあるものだから、自分の言葉でこの部分を解説することができないのです。
 以降の史実の指摘なら、従前どおり、多少はコンパクトにして説明できるのではないかと思います。

 今宵はこれまでです。紫陽花の写真をいくつか載せたいのですが、夜も更けてきましたので、今日は断念します。
 ご訪問に感謝します。

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コメント 8

majyo

本をもう一度読み返してみようと思いながら、なかなかです
ありがたいです。大事なところをご紹介下さって

自発的隷属、それですね。70年もこんなおかしな事が行われてきたのは
それを許す勢力があり、またそれを是正しようとするとつぶす組織があったのだと思います
でも、この本やネットからの情報により
私たちは目覚めました。まだの方の為にお知らせしなくてはなりません
与えられた民主主義ではなく、自発的に行動する人が増えました
それが一番大切だと思います。
今や市民が政治家を動かしています。本当の民主主義かもしれません
そして最後の結論ですが
是非はそれぞれの人が考える事で、先ずは真実をお知らせする事でしょうか?
1945年に戻って、このままで良いのかを考えたいと思います

by majyo (2016-06-22 12:01) 

トックリヤシ

自発的奴隷、当にそうなんですね。。。
これからも奴隷のままでいいのかどうか、
しっかり考えるいいチャンスですね。
by トックリヤシ (2016-06-22 16:19) 

kazg

自発的隷属,そういえば、51番目のしゅうになりたい願望を、どうやら本気で吐露した弁護士上がりの自民党議員さんがいらっしゃいましたっけ。
by kazg (2016-06-22 18:49) 

gonntan

選挙権を行使しなければ、この国に住んでいてもいないのと同じ。
だって権利を使わず全部お任せしますっていうんだから。
この国がどう進もうが責任は取りませんっていうけれど、
でも義務だけはちゃ~~~んと付いてくる、それだけは保障します。
ただほど高いものはないと同じで、白紙委任は高く付きますね。
by gonntan (2016-06-22 19:27) 

ファルコ84

このあたりの文章はグット重みを感じます。
>しかし、長く続かせる勢力があって、
>それを受け入れてしまう体質も、かなりの割合の国民にあるのです。
これが、戦後70年の現実です。
しかし、70年を機に
政治家そして国民は
変えていかなければなりません。
まっとうな法治国家を作っていきたい!
そう考えると希望が見えます。
by ファルコ84 (2016-06-22 23:10) 

momotaro

こんばんは! nice やコメントありがとうございます。

☆ majyo 様
> 自発的隷属・・・70年もこんなおかしな事が行われてきた・・・
参院選公示になって、テレビの報道番組が、駅前アンケートをやってました。
参院選で一番関心のあるテーマは「くらし」だそうです。「憲法」なんかほんの僅かしか関心が寄せられませんでした。
国の在り方なんか、どうでもいい人が多いのに驚きました。
「くらしを大事に、くらしを大事に・・・」で行き着く先が戦争で、戦地に送られたり、街が爆撃されたりしてしまったら元も子もないのに・・・
アーアッ!がっかりしますね。。。

☆ トックリヤシ様
> これからも奴隷のままでいいのかどうか、しっかり考えるいいチャンスですね。
自分が奴隷でなければ、いくら遠くの人が理不尽な思いをしていても、「これじゃいけない」とは、なかなか思わないんでしょうね。明日は我が身なんですけどね。
☆ kazg 様
> 51番目のしゅうになりたい願望….
州にするということは、アメリカ人の持つ権利と同じ権利を認めるということですので、そういうことはあり得ないことですよ。この辺が日本人のお人好しのところですね。

☆ gonntan 様
大雨の中をご訪問いただき、ありがとうございます。
> 選挙権を行使しなければ、この国に住んでいてもいないのと同じ。
> この国がどう進もうが責任は取りません・・・
>.ただほど高いものはないと同じで、白紙委任は高く付きますね。
名言集ですね!ありがとうございました。

☆ ファルコ84様
> 戦後70年を機に、政治家そして国民は
変えていかなければなりません。
まっとうな法治国家を作っていきたい!
いいですねぇ、大賛成です。
どうやって国民にその気を起こさせるか、そこが問題ですよね。
by momotaro (2016-06-23 00:33) 

さきしなのてるりん

ふぅ、選挙に追われて立ち止まる余裕もなく振り返るなど更になく、しかし、この選挙で3分の2をとらせてなるもんか。国民の多くは逆の意味で言っているじゃないかと。こんな時に改憲なんぞを日程に乗せている場合ではない。先に経済ちゃんとしてくれと。福祉を充実させろと。自民党は自分で言い出しておきながらそれを背中に隠してアベノミクス。国民はこれに3度も騙されてしまうのか。いやそうあってはならない。
by さきしなのてるりん (2016-07-03 10:45) 

momotaro

さきしなのてるりんさん
> ふぅ、選挙に追われて立ち止まる余裕もなく・・・
まったく縦横無尽のご活躍に敬意を表します。
> 国民はこれに3度も騙されてしまうのか。いやそうあってはならない。
騙す政治家が最も悪いけれど、騙される国民も、いい加減に目覚めないと・・・
どちらも罪深くなっちゃいますよ。
こちら暑くなりました。暑さに負けずあと一週間、がんばります。
by momotaro (2016-07-03 16:42) 

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