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靖国神社と国家主義 [日本考]

昨日の majyo さんのブログ
http://majyo1948.blog.so-net.ne.jp/2016-03-31-1
「 桜と共に、この(靖国神社の)問題を書かなくてはならないことにいつも心が重いです」とありました。そのコメントに、「靖国崇拝はとんでもなく間違っていますよ」ということを簡単に添えて差し上げようと思い書き始めたところ、簡単にいかないことがすぐにわかりました。どうしても長くなってしまうので、自分のブログに挙げることにしました。

靖国は国家主義の象徴です。国家が国家の命令で戦死した魂を尊び祀るのは、ある意味、当然の義務、また方便でしょう。やり続けなければ申し訳が立たないでしょうし、今後、国民を戦場に行かせるためにも必要でしょうから。

では、立派なことかと言えば、とんでもなく間違ったことです。
一体国家ってなんなんですか?
実在するのですか?

実在するとしたら、あの戦争の前に思想統制のために粛清した人々や、あの戦争で犠牲になった多くの国民や、巻き添えで犠牲にした他国民に対して、しっかり謝罪と償いをしなければならないでしょう。少なくともそういう不平不満を受け止め応える実体がなければならないでしょう。戦争がもたらした不幸を、国家としてどう国民に説明し詫びたというのでしょうか?

戦後70年近く、そういう実体はまったくなかったのです。日本政府は、戦前の国家を引き継いではいません。国民主権の民主的な国に生まれ変わり、戦前の国家は消滅していたのです。そうしなければ、国の内外に対して、国として存在出来なかったのです。

靖国だけが、戦没兵士を勝手に英霊として祀るという一面だけですが、戦前・戦中の国家主義の遺物として、亡霊のように存在してきたのです。他の面で責任を果たす実体などまったくないのに。

その一面だけの国家主義の亡霊を、国を担う閣僚が、政治家が参拝するとはどういうことでしょうか?
都合の悪い時は姿を消しておいて責任を取らず反省せず、そのエッセンスだけは温存しておいて、復活を図っている、極めて無責任で欺瞞に満ちた、ずるい態度です。

戦前の国家主義から生まれ変わったのではないのですか?
そんな疑問が周辺諸国から「日本は歴史を塗り替えようとしている」いわゆる歴史問題として指摘されるのです。
国民も同じ疑問を持っています。

国家主義は戦場に死した戦士を神として祀ります。しかし戦争そのものを反省することはありません。なぜなら、国家が選んだ道は、それしかない正しいことだからです。
誰がそれを判断するのですか?
国家の選んだ道を判断するなどとんでもないことです。

国民がいて国があります。しかし人は国に生まれてきますから、国があって人の生活があると捉えることもできますが、国家主義の間違い・危険はここにあります。
国家の決定が、国家そのものが「絶対」なのです。
その国家の由来ってなんなのですか?
それもタブーです。絶対的なものに由来など要らないのです。

とにかく国民は国家の決定に従うしかないのです。

今、そういう風潮が、そういう政治が復活しつつあります。秘密裏にことを決めて、それへの批判を許さない。批判する報道機関があれば、反対する人がいれば、それは国家の脚を引っ張るものとして弾圧しようとする。

そうしてどんな不都合な結果に繋がっても、なんの反省も謝罪もない。「国家の決定に誤りがあるわけはない」からです。
国家主義とは、そういう極めて現代人の理性から遠く離れた思想なのです。

絶対に受け入れることはできません。

靖国神社はそういう存在です。

今日は4月1日ですが、冗談など書いている余裕がなく、思わずマジでいってしまいました!

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コメント 14

majyo

すごい! さすが! 師匠!
そんでもってここを読み、すぐに今日アップ分のトップに
こちらをご紹介させて頂きました

おかしいよと書くだけではダメだもの。
あとでしっかり熟読します
ありがとうございました


by majyo (2016-04-01 19:04) 

トックリヤシ

なるほど~
なんとなく煙ったい存在だと感じていた靖国神社でしたが
煙が消えて、はっきり見えてきましたよ~。。。
by トックリヤシ (2016-04-01 20:34) 

momotaro

majyo 様
誤解を生みそうなところもあるし、言い足りないところもあるし・・・
未完成品ですが、気に入っていただけてホッとしてます。
また、冒頭で紹介していただきありがとうございます。
「自らを絶対視」したら、他国や他民族とうまくいくはずがありませんよね、衝突するに決まっていますから。
それから、死者を「神として祀る」とは完全に宗教のやること、宗教の世界です。
国家が、政治が、宗教と化しています。自爆してまで闘う一部イスラム教徒と同じ危険な思想です。
なども追加したいところです。
by momotaro (2016-04-02 01:48) 

momotaro

トックリヤシ様
> 煙が消えて、はっきり見えてきましたよ~。。。
海底の方がよっぽど澄んで見通しがいいでしょう?都心はホントに澱んでいます。
by momotaro (2016-04-02 01:49) 

SUN FIRST

理路整然良く理解できました。

靖国のことについては、「英霊」のガリ版印刷の紙切れ一枚が伯父の戦死の証明として木箱にいれられて送られてきたとの話を父から聞いて、すこしは調べておりましたので戊辰戦争云々・・・は承知しておりました。
合祀支持政治家のみが参拝するのだということも理解しておりました。
最高戦犯の昭和天皇が参拝しなかった靖国、平成明仁天皇は慰霊のたびをすればこそ参拝しない靖国を、時々の政権閣僚が参拝することの矛盾は国家主義思想の解説で一掃されました・・・。
「国家主義とは、極めて現代人の理性から遠く離れた思想」も納得。
次の選挙は、「消費増税先送り」を問うて目先をくらまし、圧勝をもくろむ「国家主義政権」に圧勝を許すと国民の命も生活も惨めきわまることになりましょう。
最近の朝日新聞を読む度に、この国がどんどん危険な方向に押し進められているのが痛いように感じられております。
次の選挙は国民にとっての一大事です。
圧勝を許すようでは取り返しのつかない国民不幸を招く事になること疑いなしです。




by SUN FIRST (2016-04-02 19:02) 

momotaro

SUN FIRST 様
素晴らしいコメントをありがとうございます。特に選挙についての警鐘は多くの人に読んでいただきたいと思いました。
>「消費増税先送り」を問うて目先をくらまし、圧勝をもくろむ・・・
確かに、やるやると言っていた消費税を延期することを公約にして点数を稼ぎ、選挙を有利に乗り切ろうとする策が見えてきています。
税金を下げるのではなく、増税を少し延期することで人気を取るとは、実にうまい策に出たものです。
騙されちゃいけませんぜ、敵の本丸は宗教を内包した国家主義の完全復活ですから。
ここは SUN FIRST さんの忠告にしっかり耳を傾けたいと思います。
by momotaro (2016-04-02 19:57) 

ファルコ84

政府だけでなく一部の人!も
国のために戦った英霊を靖国に奉るのが当たり前と
主張されています。
しかし、国民や他国民の多くが犠牲になったわけですから
その方法をもっと考え直すべきです。
靖国のやり方は、まるで英雄扱いです。
これでは、国際社会から理解が得られない。
by ファルコ84 (2016-04-02 22:15) 

gonntan

戦前の国家を引き継ぐものではなく新しい民主主義国家として再スタートするしかなかったという指摘は、将にその通りであり、現政権の一番嫌うところでしょうね。

by gonntan (2016-04-02 23:27) 

momotaro

ファルコ84様
国家主義を受け入れている人、国家主義が好きな人もいるんですよね。
ですが靖国は特殊です。神として祀るのですから。死んで神になって満足する人と、普通の人としてもう少し長く家族らと暮らしたかったと思う人とがいるわけで、つまり靖国は、完全に信じるか信じないかという宗教の世界です。国家が国民に宗教を押し付けて戦争を遂行してはいけませんよね
by momotaro (2016-04-03 01:36) 

momotaro

gonntan 様
> 新しい民主主義の国として再スタートするしかなかった
誰の目にもそう見えますよね。なぜ潔く生まれ変わらなかったのでしょうか、自民党は。
保守党が保守なのはわかりますが、戦前の日本の在り方は悪すぎた。保守の人もあのころの日本が良かったと言い出せないまま、数十年も過ぎたのです。
にもかかわらず、アベ政権が主張し始めたら、雪崩をうつように、戦前回帰路線になってしまった。
まったく無節操な、無責任なひとたちです。
by momotaro (2016-04-03 01:37) 

Enrique

考えられない人たちは「戦没者に参って何が悪い」と,必ず問題のすり替えをやります。そのくせ,千鳥が淵を参らずに靖国に参る行動の矛盾に気付かない。こちらの記事の様にまず根本的問題をしっかり押さえるのが先決でしょう。そうすれば戦犯合祀問題やら中国韓国の抗議やら宗教観やらは末節的な事が分かるでしょうから。
by Enrique (2016-04-03 18:27) 

kazg

靖国の特異性、靖国参拝の「偏向」性、よくわかりました。
御国のために散った「英霊」に哀悼の誠を捧げて何が悪い?とあの人たちは強弁しますが、さもなければ新たに命を散らしてくれる若者はいなくなる、、、みたいなことを口走ったお方もありましたっけね。靖国参拝というムーブメントは、過去の「英霊」のミタマを慰めるためと言うよりも、これから生ずるであろう新たな「英霊」に、心おきなく散ることを促し、励ますために仕組まれているのでしょうね。

by kazg (2016-04-04 05:56) 

momotaro

kazg 様
靖国神社はあの人たちにとってはなくてはならない装置なんですね。
それが神社でどんどん御神体を作っていくわけですから、あってはならない呆れた仕組みです。
そんな虚構をなぜ信仰しているのか、それともわかっていて利用しているのか、知りたいたころです。
後者なんですかね・・・
by momotaro (2016-04-04 06:44) 

momotaro

Enrique 様
コメントありがとうございます。投稿したつもりが載っていませんでした。失礼しました。
> まず根本的問題をしっかり押さえるのが先決
そうして欲しいです、そうあるべきです。
数ある神社のひとつとは訳が違うのですから。
by momotaro (2016-04-05 05:31) 

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